AIなどの進展により、専門家の仕事はどんどん置き換わっていくものと予想されています。
そのような中で、私は専門家の仕事自体はまだ10年残ると考えています。
最後の責任者として
それは、例えば不動産鑑定評価であれば、いくらAIが価格を査定しても、最後にその価格について責任を負う人が必要であると考えるためです。
もしかすると、価格の査定自体はAIが置き換わっていくかもしれません。しかし、AIが査定した価格に対して責任を持つ人という仕事はそのまま残り続けるのではないかと思います。
不動産仲介であれば、AIによる物件レコメンドやブロックチェーンによる契約機能が発達しても、需要者に最適な物件を提案し、安心して取引をしてもらうための相談役として仲介業者は残るのではないかと思います。
(金額の低い賃貸仲介は無人化が進み、売買や資産管理の面に偏るかもしれませんが・・・)
AIはブラックボックス
また、AIはその結果を提示する根拠を示すことができるモデルがまだ多くはありません。なぜその結果が出たのかはブラックボックスになっていることが多いということです。
よって、なぜそのような結果になったのかを解釈し、説明する。
そのような面でも専門家の仕事は残るのではないかととらえています。
但し、信頼があればの話
但し、これは信頼性がその資格者にあればの話です。
- どのような根拠で補修正率を算定したか根拠も言えない鑑定士
- 入居費用や退去費用をぼったくる宅建士
など、専門家の信用を失墜させる方が多ければ、社会は我々専門家を信頼しなくなります。
信頼されなくなれば、上記で記述した責任者としての専門家など、不要になります。
要はAIよりも信頼できない専門家はいらないということです。
AIと戦って、あるいは共存していくためには、AIにはできない部分、すなわちヒューマンスキル的な部分が大きく影響します。
結局それはこの人なら信頼できる。という部分だと思います。
我々専門家は、一人一人がとても優れ、また信頼に足る人物でも、一人の不誠実な行為により、業界全体の信頼が揺らいでしまうという可能性があります。
不動産鑑定の問題が森友学園、オリンピック選手村、山梨県県有地、青森県の談合、茨城での固定資産税評価の件など、この2年ほどで注目されています。
このようなことが続けば不動産鑑定士は信頼できないなと社会に思われてしまう日が来るかもしれません。
結局のところ、人とAI、どちらが信頼できるかということです。
自動車業界の例
自動運転車はアメリカでは普及してきていますが、日本ではまだ普及していません。
アメリカでは、人が運転する車よりもAIが運転してくれた方が安全だと思われているのでしょう。
自動車業界はデータもあるので本当に安全なのだと思いますが。
(事故を起こす確率がAIと人間、どちらが高いかは明らかでしょう)
それならば安全な方に運転をお願いしたいですよね。
この、安全な方にお願いしたい。というのが専門家業界にも起こります。車の運転もある種の専門職です。
アメリカでは専門職の仕事の一部がもう置き換わっているということです。
その理由はAIのほうが人間の運転よりも「信頼」できるからです。
まとめ
我々専門職が、AI時代も人の役に立っていくには、「信頼」を大切にしていかなければなりません。
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