最小限の投資で税理士試験2科目の合格を目指したシリーズ第5回です。
今回、次回で、どのような方針で学習を進めたか、チャレンジのキーとなる学習方針を記載します。
前回はこちら
6.学習の方針
学習方針を一言でいえば、
「やらないところを決め、出題者が出しやすそうな論点のみやる」
です。
基本は、
- 過去問を読み、どのような論点が出されているかを調べ、学習論点に濃淡をつける(TAC過去問の最初についている年度別の出題なども参考にしました。)
- 各論点は、どのような出題のされ方をしているかを把握し、典型的な出題パターンのみ練習する
- 各論点は、どのように問題文にされ、どのように配点がふられるかを解答例を見て研究する
ということを意識していくことになります。
上記意識のもと、行った細かい方針は下記のとおりです。
勉強範囲の取捨選択
そもそも出題可能性がほとんどないような問題(一株当たり純利益の算定、四半期財務諸表、セグメント情報など)はテキストを読むことすらせず、一切触れません。
本チャレンジにおいては、もしかしたら出るかも・・・という可能性の低いものはすべてカットしています。
- 保険でやっておく
- ずっと出ていないからそろそろ出るかも
という発想はありません。
論点の取捨選択、学習の濃淡
学習する試験範囲の中の個別論点として、
「この試験形式であれば、この論点は問題として出しようがないだろう」、「この論点は出題するならこういう問題にするしかないだろう。」ということを考えます。
すると、テキストを読んでいても、これを税理士試験の中で出題するのは難しいだろうなというところがわかってきます。
- 特に、この問題は総合問題の中では出せないだろう
- 出すとしたら仕訳を切らせる問題や数値の穴埋めしかないだろう
というような問題がわかってきます。
(この場合、簿記論でいえば問3では出しようがないので、問1や問2で出た際に解けるよう、仕訳のみ把握すればよいと考える。)
そうすると、同じくテキストを読んでいても、
「この部分は計算できるレベルまで仕上げる必要はない。」、「ここは仕訳を切れるレベルまでは必要はない。」というところが分けられるようになります。
そしてそれ以上のレベルのインプットはしないということとしました。
これを実現するために、テキストを読み込む前に過去問を眺めて、どういう出題のされ方がなされているのかを確認しています。
(といっても、仕訳問題はどう出されるのか、総合問題はどういう出され方をするのかなどのざっくりした確認です。筆者はこの取り組みの初日にはじめて税理士試験の試験問題を見ました。予備知識はなしの状態でも大丈夫です。)
当日捨てる問題は勉強しない
また、出題されるとしたら計算に時間がかかり、本試験では時間の都合で捨てるだろうなと思う論点もすべて捨てています。
税理士試験の問題を5月に解いたとき、時間が足りないことが一番の課題になると思いました。
インターネットで調べてみても、税理士試験の試験問題は全部解ききるには3時間、4時間かかるとの声もありました。
ですので、本番では絶対に解かないで終わる問題がかなりの題数出るはずだと考えました。
それならば初めから勉強しない論点が多くても、そこは仮に勉強しても本番では時間の関係で飛ばしてしまうものだと考え、バッサリ切ることにしました。
具体的には、事業分離の複雑な判断が要求される場面(子会社なのか関連会社なのか、対価は現金か株式かなど)や、退職給付の中でも途中で規定が変更されて差異が出る場合、複数の退職給付のボックス図を書かなければ解けない場合など、時間のかかる問題は手を出していません。(問題すら練習で解きません)
本番で解かないような問題は徹底して飛ばしてほかの重要な部分の学習に回す。限られた時間を有効に使うためには最も重要なポイントだと思います。
後編へ続きます。
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