鑑定理論の丸暗記で悩んでいる方へ

勉強・スキルアップ

不動産鑑定士試験において、鑑定理論(不動産鑑定用か基準及びその運用上の留意事項)を暗記することは一部ではある意味必須事項と考えられていると思います。

まずは暗記してからがスタートラインととらえる方もいるでしょう。

確かに基準を暗記していれば暗記していない人より優位に立つことができるのは間違いありません。

一方、暗記はマストではないと考えています。

丸暗記などできていなくても合格、それも状合格できている人はそれなりの人数がいるからです。

私は最終的には一字一句丸暗記ができていましたが、暗記が未熟なうちからも答練では上位に入っていました。

よって、暗記ができていた私から見ても、丸暗記はできなくても合格できる試験であると思います。

本稿では丸暗記は無理という人でも不動産鑑定士試験の受験をあきらめていただきたくないため、丸暗記以外の勉強法についてTipsを記載したいと思います。

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要約法、丸暗記よりも基準のつながりを意識する

名前の通りですが、各基準のブロックごとに書いていることを要約して覚えてしまうことです。

つまり、この段落、あるいはこのテーマでは何を言いたいのかなということを一行や一言で整理して覚えてしまいましょうということです。

ここで重要なのはその要約は自分の言葉で考えるということです。

たとえば、第一章には

不動産の属する地域は固定的なものではなくて、常に拡大縮小、集中拡散、発展衰退等の変化の過程にあるものであるから、不動産の利用形態が最適なものであるかどうか、仮に現在最適なものであっても、時の経過に伴ってこれを持続できるかどうか、これらは常に検討されなければならない。したがって、不動産の価格(または賃料)は、通常、過去と将来とにわたる長期的な考慮のもとに形成される。今日の価格(または賃料)は、昨日の展開であり、明日を反映するものであって常に変化の過程にあるものである。

というブロックがありますが、これは

「地域は時間がたてば変わっていくので最適な利用方法も変わる。利用方法が変われば価格水準も変わる。」とか

「問いの流れによって価格は変わるから時点修正が必要なんだ。」

くらいの解釈で覚えてしまうということです。

いわゆる基準ベタ張りの問題が出ると記述量は少なくなってしまいますが、応用論点の時には、解釈を書くだけでも十分得点はつきます。

基準を丸暗記する以上に、ほかの基準とのつながり(論点と論点の結びつき)が大事です。

上記の例でいうと、この後価格時点や時点修正の論点を続けて書けるんだというように、ほかの論点とつなげて解釈することが大事です。

基準を完璧に張り付けても、ほかの論点につなげられなかったら、その部分の点数しか入りません。

ほかの論点につなげられれば、つなげた論点の得点も入ります。

正確性よりもほかの論点につながる理解で要約してシンプルに覚えてください。

全部覚えるというよりも、何が書いてあるのか、どこにつながるのかということを知ることが重要です。

赤シートなどを使う、暗唱できなくても思い出せればいい

記憶は問題で問われたときに引き出せればいいのです。

一章を暗唱してみてといわれてすべて暗唱できる必要など、合格のためには全く必要はありません。

無のところから基準を暗唱するというのはハードルが高いものです。しかし、実際にはそこまでの能力がなくても、聞かれたことに的確に答えられればいいのです。

それは記憶を引き出す力と関連付けができる力があれば問題ありません。

よって、暗記の程度としては、赤シートで隠して思い出せる程度の暗記で、まずは満足しても大丈夫です。

どうしても暗唱ができない!と、そこで詰まってしまっては本末転倒です。

それよりもほかにやることはあります(他教科を含め)。

この試験では100点を取る必要なんて全くありません。60点取れるならどんどん進みましょう。鑑定士試験の勉強を始めて気づかれたと思いますが、やることは非常に多いのです。

もちろん択一式と違い、文章を見て判断できれば合格できるというレベルの試験ではないため、論文式試験の勉強量はそれらの試験よりも必要となることは言うまでもありません。(同じ範囲の広さであれば、勉強量は大半の方が択一試験よりも論文式試験のほうが多くなります。)

まとめ

いかがでしょうか。

完璧主義は大変です。そして完璧じゃなくてもこれは受かる試験です。

40点から60点への20点と、60点から80点への20点は、同じ20点でも到達への労力はまるで違います。

受験を志して勉強を始めたばかりの方は、暗記の細かいところにはあまり深入りせず、まずはすべての試験範囲を一度終わらせることを念頭に進めてください。

全体間を見た後に細かいところも必要だと思ったら、その時戻ってくればいいのです。

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