私が不動産鑑定士試験や公認会計士短答式試験、技術士試験等を合格した際に最も重視した方法は過去問の研究です。
特に予備校講義を使わずに独学で資格試験で最短距離での合格を目指そうと思うと、まず初めに行うことは「過去問の研究」と考えています。
もちろん、試験範囲の全体像が分からないと、過去問を見ても何のことやら・・・という状態になりますので、テキストの通読(ざっくりと)を行ってからとなりますが、過去問研究が早期合格のカギとなります。
過去問の研究の目的は以下の通りです。
- 出題範囲と出題頻度を把握できる
- 出題形式・方法を把握できる
- 出題レベルを知ることができる
- 合格レベルを知ることができる
出題範囲と出題頻度を把握できる
過去問を研究していくと、出題範囲が実はそれほど広くないことに気づきます。
というのも、繰り返し出題される論点が意外に多いからです。
何年分も過去問を解いていると、このフレーズは前も使ったな。とか、この算定は前回もさせられたな。ということが非常にあります。
受験勉強期間が長くなると、基本テキストでは、新しい発見がなくなってくるため、ついついより専門的な文献に手を出したり、上級講座を受講したり、試験委員の先生の論文まで見始めたりと、手を広げてしまいがちですが、合格にそこまでは必要ありません。
80:20の法則ともいわれますが、本当に重要なのはテキストの20%です。
どこまで勉強すればいいのだろう、試験範囲が広すぎる。。。と悩まれる必要はありません。
合格に必要なのは基本テキストの範囲です。
そしてその中でも重要な部分をメリハリ付けて学ぶために、過去問の出題傾向を把握します。
出題形式・方法を把握できる
自分が勉強し、合格を目指す試験では、テキストの内容はどのような形式で問われるのかが把握できます。
テキストを漫然と読んでいるだけでは、暗記の方法や計算方法の習得のイメージが付きにくいと思います。
過去問を研究していれば、インプットをする際にどのような形で試験では問われているのかをイメージすることができるため、インプットの質が上がります。
そして、この論点は試験ではこうは問われないな。ということがわかれば、暗記すべきページを削減することもできます。
ゴールから考えるということの大切さは資格試験でも同様です。
そして資格試験におけるゴールの指標となるのが過去問です。
出題レベルを知ることができる
予備校の答練などでは、難解かつ見たこともない論点が出ることがあります。
また、問題集でも難しすぎて手が出ない問題もあるでしょう。
過去問を研究すると、どの程度の勉強を行えばいいかがわかります。
答練で難しい誰も解けない問題が出ようと、本試験のレベルを考えるとここまでは必要ないということがわかってきます。
合格後は専門性の向上に邁進していただきたいですが、合格までにそれは必要ありません。
まずはスタートラインに立つための勉強を効率よく行うため、出題のレベル感を把握し、深追いしすぎないことが大切です。
合格レベルを知ることができる
過去問集には、それぞれの過去試験でのボーダーが書いてあります。
特に論文式試験や、難関資格では、合格は相対評価です。
つまり絶対的な点数を目指すことに意味はありません。
過去問の研究は、そのレベルの試験を実施したときにどれくらいの立ち位置にいれば合格できるのかというボーダーラインを把握するために役立ちます。
現状の自分の立ち位置と合格ボーダーを比べ、どこができていれば合格だったかをしっかり認識することで、努力の方向性が見えてきます。
過去問の使いどころ
私はテキストを通読したらまず過去問を実施します。
そして現状と合格ラインを比較し、どの程度の努力が必要かで、受験をするかしないか、受験までにどのくらいの期間をかけるか、一日どの程度勉強するかを決めます。
その後は過去問を何年か分解き、どのような問題の出され方をしているか、繰り返し出ているポイントはどこかを回答も見つつ探っていきます。
その状態で基本テキストを熟読し始めると、この論点は試験に出すのは難しいな。という勘所がわかってくるため、そういう部分は積極的に飛ばして勉強を完成させていきます。
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