何度か触れているかもしれませんが、不動産鑑定士試験は、試験に特徴があるため、効率的な勉強をしている人とそうでない人で、合格までにかかる時間に大きな差ができます。
今回はできるだけ短時間で合格するための教科集中戦略をお話しします。
通常論文式試験では、みんなができる問題の配点は高く、できない問題の配点が低い傾斜配点が用いられています。
そのため、基本的にはできる人とできない人の点数差は小さくなり、多くの人の点数が合格ラインである60点付近に集中することとなります。
これは、60が平均となる偏差値のようなものに点数が変換されると考えればわかりやすいでしょう。
一方で、鑑定士試験は、鑑定理論(演習)と経済学という、論文式試験にもかかわらず、数値が一致すると100点が取れてしまう科目があります。
これを利用することが最も効率的に短時間で点数を伸ばす秘訣となります。
なぜなら、民法で60点から10点あげることは相当難しく、20点あげることなどほぼ不可能ですが、演習であれば答えさえ合っていれば、60点どころか100点が取れます。
得点の価値はどの科目でとっても同じですから、民法は最低限で40点、演習は100点の場合の方が、全科目60点をとるよりもはるかに合格しやすくなります。
平均60点(合計360点)が合格ラインということを考えると、
演習と経済で90点が取れれば残りは400点満点のうちの180点でいいことになります。(残り科目は平均45点)
よって、効率的に合格したい方は、鑑定理論(演習)と経済学を得意科目にするといいでしょう。
これがベースの戦略です。
なお、近年は会計学が穴埋め形式だったり、論点のレベルが高くない傾向にあります。
よって会計学も実はねらい目になっているかもしれません。
近年の会計学の問題を見るに、真剣に論文を書くというような他科目と同様の勉強方法というよりは、幅広い知識を身に着けておく、短答形式の勉強方法があっているかもしれません。
試験の内容が変われば勉強方法も変えていく必要があります。
試験の傾向を注意深く観察し、試験委員の先生が変わらないのであれば前年の試験傾向はしっかり把握しましょう。
もし試験委員の先生が変わっても、試験は前回の傾向を踏襲することも多いですので無駄にはなりません。
なお、個人的には現時点では民法は効率が悪く、初学者の方・特段の思い入れがない方は比重は多くの受験生は落とした方がよいと考えています。
また、鑑定理論は暗記をベースにみんなと同じレベルを目指すことが効率的な勉強のためには重要でしょう。(鑑定理論は基本的には差がつかない。つけようと思ったら相当の努力がいる。)
勉強の強弱をつけることは、実務についた際に不安だという意見もあるかと思いますが、実務についた後でいくらでも勉強はできます。
試験の時点で完璧である必要はありませんし、試験で完璧でも、実務についたら試験でトップをとれる人でも知識も能力も全然足りません。
まずは合格後のことは考えず、いかに合格するかという方法を考え、賢く勉強することが大切です。
関連記事
コメント