不動産鑑定士資格取得後の特徴(良いところ、悪いところ)

不動産鑑定士資格が他の士業資格と比べてよいと思うところ、悪いと思うところを取りまとめてみます。

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良いところ(メリット)

公的な仕事がある

良いところの筆頭はまずこれです。ここが他の士業資格と比較して圧倒的に良いところです。

公認会計士、税理士、社会保険労務士その他いろいろな資格はありますが、公的かつ継続的な仕事がそれなりの数存在し、安定している資格の代表がこの不動産鑑定士でしょう。

毎年の地価公示、都道府県地価調査、国税庁の路線価、毎年ではないですが、固定資産税評価があります。

そのほかにも、裁判所評価や競売評価もありますし、補償業務であれば用地補償などの入札に参加することもできます。

士業ではある程度の営業力が必須ですが、不動産鑑定士はその中においては、営業力の占める重要度の割合は低いといえるでしょう。

職人タイプの人が取得する資格としてとてもお勧めです。

もちろん、営業力があったほうが仕事の幅は増えます。

組織に属さないで生活できる

不動産鑑定士の多くは独立して生計を立てています。

公認会計士のように監査法人に属したりせず、一人事務所で仕事をされている先生方がかなり多くなっています。

(これは国土交通省の公表資料でも確認できます。)

独立起業する際にも、鑑定士協会の入会金・年会費やOA機器のレンタル料などは必要ですが、初期費用もランニングコストも非常に低いタイプの士業となっています。

(例えば土地家屋調査士であれば測量機器など、高い機材が必要になりますが、鑑定士業務ではそれほど高い機材は不要です。)
3年の評価実績があれば地価公示委員になることで公的な仕事が得られ、ベースの収入が安定していることも、組織に属さずとも生活できる特性を支えています。

悪いところ (デメリット)

つぶしがききにくい

一方悪いところもあります。

まず、つぶしがききにくいです。

公認会計士や税理士であれば、民間企業の経理部門などでかなりの需要があります。

経営企画部門などのでも需要があるでしょう。

社会保険労務士であれば、人事・総務部での需要があります。

司法書士・行政書士は法務部門での採用が見込めるでしょう。

士業系資格はバックオフィスでの需要が高いものが多く、それらの資格と比べると就職でのつぶしが効きにくいことは否めません。

バックオフィスはほぼすべての企業に存在するため、これらの資格を保有していると、多少下駄をはいた評価を受けられますが、不動産鑑定士はバックオフィス系の資格ではなく、知名度も高くはないため、一般企業受けはよくありません。

鑑定業界を出た後は、営業力があればデベロッパーや不動産会社で花開くと思いますが、そうでなければ活用しにくいということも考えられます。

企業の内情を深く知るタイプの資格イメージがない

公認会計士や税理士、社会保険労務士はその資格の特性から、企業の経営事情まで深く入り込む信頼を築きやすい資格といえます。

実力はそれぞれですが、資格の特性から、それぞれの専門領域が経営と直接結びつきやすいためです。

一方鑑定士は依頼が評価のスポット的なものとなる傾向があり、鑑定士だからと言って経営の相談をしたいという経営者はまずいません。

評価での信頼を勝ち得ることで、資産の運用に関する相談業務を受けるという方向で信頼関係を築くことはもちろん可能ですが、他の資格と比べるとそのハードルは高いでしょう。

知名度が低い

最後になんといっても知名度が低いことです。

一般の方はまずこの資格を知りません。

なんでも鑑定団のイメージが強すぎるせいか、そちらと結びついたイメージをお持ちの方もそこそこいらっしゃいます(ネタでいっているのだと思いますが・・・)

知名度がないため、民間向けの事業を行う際には、自分がどんな仕事をしているのか、どんな仕事を受けられるのかというプロモーションからしっかり考える必要があるのもこの資格の特徴でしょう。

ここは現資格者が頑張って知名度を高めていきたいところです。

いかがでしょうか。

これから不動産鑑定士を目指される方の参考になりましたらうれしいです。

約一年の学習期間と40万円の予備校費用を費やすことが鑑定士の第一ハードルとなっていると思いますので、ほかの資格との比較にお役立てください。

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