私が不動産鑑定士試験や公認会計士短答式試験、技術士一次試験等を合格した際に意識していた勉強の仕方の意識は「短期・高速・回転」です。
エビングハウスの忘却曲線は皆さん知るところかと思いますが、復習の大切さを示す理論として有名です。
本当は意図した方法と違うように使われてしまっているようで、一般的に知られているイメージと、本当の研究成果には乖離があるようですが、復習をして記憶を定着させることが重要なのは間違いありません。
資格試験で難しいのは、短期間で複数の科目を勉強する中、すべての科目でそれを行わなければならないということです。
学習はある程度期間が開いてしまうと、忘れてしまう部分が多くなるのは仕方ありません。
よって、できるだけ短いスパンで復習が必要ですが、不動産鑑定士試験や公認会計士試験のように、科目数が多いといったんその科目を離れると次に戻ってこれるのが1週間後、となってしまうのもざらにあるかと思います。
6科目の受験勉強を1日1科目行い、週に1日休むなら、1週間に1回しかその科目には触れられないことになります。
難関資格試験でも超短期の合格者がいるのは、超短期を目指すと、それだけ復習の間隔が狭くなるからと考えています。
もちろん、受験生にはいろいろな事情があるため、全員が全員短期合格のために仕事をやめて1日12時間勉強して毎日全科目を進める。ということはできないでしょう。
しかし、どんな人でも一転工夫していただきたいことがあります。
それは、
「最低でも、1ページでいいから毎日全科目に目を通すこと」
です。
これには2つの効果があります。
- 各科目で異なる理論の考え方を毎日見ることで、考え方のモデルを定着させる
- 毎日その科目に触れているということが自信につながる
特に重要なのは一つ目です。
よく、簿記はスポーツ、5日行わないとできなくなる。
といわれますが、簿記に限らずすべての科目は、それぞれ独自の理論体系を持っています。
そして学問はその大きな理論体系という木をベースに展開されています。
つまり、1ページしか触れていなくても、その1ページの内容は、理論体系という木につながっており、どこかしらで学問全体の理解を押し上げる助けになります。
皆さんも勉強中、全く異なる論点を勉強していたのに、その勉強が終わった後に、ほかの論点の理解度が上がっていた経験はないでしょうか。
それはつながりのある学問を学んでいる以上、一部分を学ぶことが全体の理解に貢献しているのです。
パズルをイメージしていただくとわかりやすいかもしれません。
一部のピースが埋まることにより、その周辺がよりはっきり見え、ピースが減ることにより、ほかの部分が組み立てやすくなります。
上記のような効果があるため、たかが1ページなんてやっても無駄と思わずに、続けてみることをお勧めします。
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