最有効使用と想定建地物が一致していない評価書

不動産鑑定
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こんにちは不動産鑑定士のKanvasです。

今回は個別分析の結果決定される最有効使用と収益還元法で想定する想定建物についてです。

以下のような評価書を見ました。(本件は更地の評価書になります。)

「個別分析の項」

近隣地域の標準的使用および対象不動産の個別要因を踏まえ、対象不動産の最有効使用を中層のショッピングセンターの敷地であると判定した。

「収益還元法の想定建物の項」

対象不動産上にRC5階建ての賃貸マンションを想定し、土地残余法を実施した。とあります。

上記、何が問題かわかりますでしょうか。

更地とは「更地とは、建物等の定着物がなく、かつ、使用収益を制約する権利の付着していない宅地をいう。」です。最有効使用の実現を制約することのない土地です。

つまり更地の価格とは最有効使用を前提とした価格ですので、土地残余法を適用する場合には、対象不動産に最有効使用の建物を建築し、当該最有効使用の複合不動産の純収益から土地に帰属する部分を把握し、評価を行わなければなりません。

上記の評価書では、最有効使用はショッピングセンターだけど、賃貸マンションを想定しており、最有効使用に基づく純収益の把握ができていません。

これでは、最有効使用の建物が建築できないという制限付きの土地の価格評価になってしまいますので、更地の鑑定評価とは言えません。

評価実務としては、ショッピングセンターの想定は評価スキルとしては確かに難しいものです。

特に現在稼働もしていない、物自体もないものであればなおさらです。

周辺の店舗の事例があるか、自分で店舗運営をしたらどれくらいのGOPが稼得できるのか、最適な業種は何か・・・など考慮するポイントはたくさんあります。

しかし、評価手法が難しいからと言って、最有効使用の建物を想定しない更地評価は論外です。

この記事をご覧になった皆様は当たり前のこと・・・と思われるかもしれませんが、そのような評価書が出回っているのも事実です。(正式な不動産鑑定評価書として)

専門家として、お互いに不断の勉強を怠らないようにしましょう!

【参考 不動産鑑定評価基準(国土交通省9) 第7章 3.適用方法(1)純収益】

② 純収益の算定

対象不動産の純収益は、一般に1年を単位として総収益から総費用を控除して求めるものとする。また、純収益は、永続的なものと非永続的なもの、償却前のものと償却後のもの等、総収益及び総費用の把握の仕方により異なるものであり、それぞれ収益価格を求める方法及び還元利回り又は割引率を求める方法とも密接な関連があることに留意する必要がある。 なお、直接還元法における純収益は、対象不動産の初年度の純収益を採用する場合と標準化された純収益を採用する場合があることに留意しなければ ならない。

(中略)

直接還元法の適用に当たって、対象不動産の純収益を近隣地域若しくは同一需給圏内の類似地域等に存する対象不動産と類似の不動産又は同一需給圏内の代替競争不動産の純収益によって間接的に求める場合には、それぞれの地域要因の比較及び個別的要因の比較を行い、当該純収益について適切に補正することが必要である。

(イ)対象不動産が更地である場合において、当該土地に最有効使用の賃貸用建物等の建築を想定する場合 対象不動産に最有効使用の賃貸用建物等の建設を想定し、当該複合不動産が生み出すであろう総収益を適切に求めるものとする。

※マーカーは筆者

 

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