一斉かつ大量に行う不動産の簡易評価(更地、建物)

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財務書類作成目的等のうち賃貸等不動産をたくさん保有している場合、あるいは減損の兆候把握のために著しい価格の下落が生じていないかを概算で把握するための簡易評価方法をご紹介いたします。

これらの評価目的では、

  • 土地については路線価を割り戻して算定
  • 建物については固定資産税評価額

を使用されることが多いと思いますが、ここでは

  • 土地については公示価格から簡易比準を行う方法
  • 建物については簡易な原価法に準じる方法

をご紹介します。

公示価格から簡易比準を行う方法

STEP1

対象となる土地の近隣の地価公示地を見つけます。

選択の際は

  • 用途が類似していること(公示地は商業地であれば5-〇、工業地であれば9-〇という番号がついています。)
  • 規模が類似していること

に特に留意します。

STEP2

選択した公示地と、対象となる土地の前面路線価を把握します。

STEP3

公示価格×(対象土地路線価÷公示地路線価)

の計算を行います。

この時点で、土地の個別性を反映する前の、対象土地が存する地域の標準的な土地単価が把握できます。

STEP4

算定した土地単価に個別性の反映を行います。

対象土地の特徴を下記のような一定の基準に基づき反映します。

国税庁法令解釈通達による補正

奥行価格補正率表(昭45直資3−13・平3課評2−4外・平18課評2−27外改正) |国税庁

土地価格比準表による補正

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ここでの目的は正確な価格の評価ではなく、重要性判断のため等の概算価値の把握のため、この作業は飛ばしてしまっても問題ないと思われます。

(保有土地の重要性把握のため、時価の高い順に並べ替えることを目的とするなら特段不要と思われます。)

STEP5

上記で算定した単価に土地面積を乗じて対象土地の価格を決定します。

原価法に準じた方法

建物の再調達原価から減価修正額を控除して求めます。

STEP1

建物の再調達原価

比較的新しい物件で、自家建設の場合など、建築時の再調達原価がわかる場合には、当該再調達原価に建築工事費デフレータ(直近の指数÷建設時の指数)を乗じた金額をもって再調達原価とします。

他社から購入した場合や古い建物でこれらの資料がない場合には、建築着工統計などの構造別平均単価をもって再調達原価の単価とし、これに対象建物の延床面積を乗じて再調達原価とします。

STEP2

上記で求めた再調達原価に(経過年数÷耐用年数)を乗じて減価修正額を求めます。

耐用年数は、本来であれば経済的耐用年数を用いるべきですが、簡易評価として実務上の手間を考慮し、法定耐用年数等で代替することも考えられます。

本来であれば構造部位別にこれらの年数を査定するべきですが、同様の理由で一括で算定することが実務上は多いと思われます。

STEP3

上記で求めた再調達原価から減価修正額を控除して建物価格を算定します。

STEP4

土地建物一体としての価格とするため、土地価格と建物価格を合算します。

おわりに

本件はあくまで短期かつ大量に簡易査定を行う際のTipsであり、この価格をもって不動産の評価額とすることはできませんが、まったく時価がわからない不動産の場合、上記の方法による試算はある程度合理的な価格を算定しているものと考えられます。

この簡易な試算価格をもって、不動産鑑定士に依頼する重要性の高い不動産を選択する基準するなどの活用方法が考えられます。

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