フランクに理解する不動産鑑定評価基準第6章⑭(個別分析②)

不動産鑑定

やわらかい言葉で不動産鑑定評価基準及び留意事項の6章がつまり何を言っているのかをざっくばらんに、実務的な観点を踏まえながら解説・コメントしています。

(引用符で引かれた項目はすべて国土交通省の不動産鑑定評価基準及び不動産鑑定評価基準運用上の留意事項からの引用となっています。)

第一回はこちら(補足説明等込み)

フランクに理解する不動産鑑定評価基準第6章①
鑑定評価理論を学ぶ上でイメージがつかみにくく、最後まで暗記・理解が難航するのは第6章ではないでしょうか。 この連載では、やわらかい言葉で不動産鑑定評価基準及び留意事項の6章がつまり何を言っているのかをざっくばらんに、実務的な観点を踏まえながら解説・コメントするものです。(全文解説します。)

前回はこちら

フランクに理解する不動産鑑定評価基準第6章⑬(個別分析①)
不動産の価格は、その不動産の最有効使用を前提として把握される価格を標準として形成されるものであるから、不動産の鑑定評価に当たっては、対象不動産の最有効使用を判定する必要がある。

2.個別分析の適用について

(1)個別的要因の分析上の留意点について対象不動産と代替、競争等の関係にある不動産と比べた優劣及び競争力の程度を把握するに当たっては、次の点に留意すべきである。

①同一用途の不動産の需要の中心となっている価格帯及び主たる需要者の属性

②対象不動産の立地、規模、機能、周辺環境等に係る需要者の選好

③対象不動産に係る引き合いの多寡

代替競争関係にある他の不動産と比べた優劣や、対象不動産が代替競争関係にある他の不動産と比べて優れているのか、劣っているのかの判断に当たって留意すべき3点が記載されています。

1はまさに市場分析の結果です。

2は代替競争関係にあっても、A不動産は高速のインターチェンジに近い、B不動産はインターからは遠いが道路幅員は広い、など、不動産は同じものが二つとないので、それぞれに個性があります。

そこで、典型的な需要者の重視する点(選好)をもとに、競争力を判断します。

例えば、物流拠点であれば、インターチェンジが近いことが重要でしょう。研究施設のように重たい器具を多数集積するならば地盤が重要でしょう。市場分析の結果把握した需要者の選好をもとに、重視される評価軸をもって対象不動産が代替競争関係にある不動産と比べて優れているか劣っているかを判断します。

3は実務上あまり直接聞けることは少ないかと思いますが、(必ずしも売買を目的にしている場合ばかりではないので)引き合いが多い不動産はそれだけ競争力に優れていますので、価格面ではプラスでしょう。

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