不動産鑑定評価と有効数字の話

数字を用いる計算について、どの桁数までの数字が意味を持つのか、これについては理系の出身の方は間違いなく意識していると思います。

一方、鑑定評価の実務ではあまり意識されていないように思います。

理系出身者は気持ち悪い思いをしているのではないでしょうか。

これにより何かが大きく変わるわけではないですが、どの桁の数字までが意味のあるものなのかは、不動産の経済価値を貨幣額として表示する専門家である以上、認識しておくおkとは有用だと思います。

ここでは皆さんに有効数字の考え方を理解していただき、明日の鑑定評価から取り入れていただけるように解説します。

(記事の需要がニッチすぎると思いますが、鑑定評価を科学として取り扱う上ではこのような知識を鑑定士が身に着ける必要があると考えます。)

(理工系の方にとっては当然の内容ですので、読む必要はありません。)

有効数字とは(定義)

有効数字(ゆうこうすうじ; 英: significant figures, significant digits)とは、測定結果などを表す数字のうちで、位取りを示すだけのゼロを除いた意味のある数字である。

2013「日本産業規格 分析化学用語(基礎部門)」(日本産業標準調査会、経済産業省)

とされています。

桁数を示す意味でのゼロを除いて、どれだけの数字が使われているかということで、誤差を明示する上で重要な考え方となります。

例えば

95,000円/㎡の有効数字は、2桁

95,100円/㎡の有効数字は、3桁

95,120円/㎡の有効数字は、4桁

95,123円/㎡の有効数字は、5桁

となります。

位取りの位置を示すゼロを除いた数字が桁数を示しているのがわかると思います。

ここで注意したい点としては、95,000円/㎡であっても、ぴったり95,000円/㎡を示したいときは、有効数字は5桁となります。

要は、誤差をどのように考えているかによります。

95,000円/㎡と示したときに、これを上二桁で四捨五入することを考えると94,500~95,499円/㎡までの数字は95,000円/㎡として丸められることになります。

この丸める際の桁数が有効数字であるとして考えていただいてよいと思います。

要は端数処理をどこでして、どの桁の数字までに有効性を持たせるかというものになります。

足し算の有効数字

足し算や引き算をするときには、全ての数字において有効である桁までを有効数字とします。

例えば1.743+1.2 について

1.2 は小数第一位まで有効なので、全ての数字において有効である桁は、小数第一位までです。

同様に1.743は4桁までです。

そのため、1.2+1.743という足し算の結果の 2.943 は、小数第一位までが有効で 2.9 と表現するのが一般的です。

これは雑種地と宅地の面積の足し算をする際の有効数字の考え方で実務上登場します。

宅地350.33㎡と

雑種地350㎡では、

標記上は宅地のほうが大きいですが、雑種地は有効数字の考え方を考えると349.5~350.4㎡までのどの面積でも標記上は350㎡となるので、本当はどちらが大きい面積かはわからないのです。

よって、上記の足し算が700.33㎡とされることには違和感を感じます。

(700.33㎡ということに専門家としてのお墨付きを与えることはできないはずです。)

掛け算の有効数字

かけ算をするときには、桁数が最小であるものの桁数分を有効数字とします。

例えば、1.2×1.234 について、

1.2 は有効数字2桁

1.234 は有効数字4桁

なので、桁数が最小であるものの桁数は、2桁です。

かけ算の結果は、正確に計算すると 1.4808 ですが、2桁だけを残して(3桁目を四捨五入して)1.5 と表現するのが一般的です。

原価法における再調達原価の査定などで、単価172,000円/㎡、延床面積5,500.72㎡と判断し、ここから再調達原価を求める際は、946,000,000円(有効数字は単価の3桁)とするということです。

これを946,123,840円と算定されていると、違和感があります。(単価の根拠に自信があり、ぴったりと172,000円/㎡、誤差を含め単価は171,999.5~172,000.4円/㎡に入るという自信があるのであれば、有効数字が6桁の946,124,000円と査定されることには納得できます。それだけの根拠があるのはなかなかまれでしょうけれど・・・)

鑑定評価上の留意点

上記は日ごろから気持ち悪く思っていたので、今回は思いを書いてみました。

鑑定評価自体は一部確かにファジーな部分もあり、例えば取引事例比較法の、角地+5%とかについても、鑑定士としてはあくまで「相場よりも5%程度の増価が見られることが一般的」という形で査定していると思います。

一方、5%の補正でも標準画地の価格を上3桁で丸めるのであれば、鑑定士は5.00%と査定しているんだよね?ととらえてしまう気持ちもあります。

今回は完全に雑記でしたが、どの数字まで鑑定士は責任をもって査定しているのか、考えながら評価額の検討をするというのも重要なことかなと思います。

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